子どものための英語敬語~英語にも敬語はある~

子どものための英語敬語~英語にも敬語はある~

「英語って敬語がないから誰に対しても同じ言葉遣いでいいよね。英語って楽だね。」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。でもそれは間違いです。確かに英語は日本語のように、一つのものに対して言い方が少なく、シンプルです。

しかし、英語だったら何でも誰にでも同じ表現で言っていいのかというと、そういうわけでもありません。

目上の人に対する敬語や、何かをお願いするときの表現方法、丁寧な断り方などがあります。そのTPOに合わせた表現方法が英語にもあります。

確かに、日本語の尊敬語、謙譲語、丁寧語とたくさんの使い分けなければならない言葉があります。しかし、英語にも日本語のような細やかな使い分けはないにしてもきちんとした「敬語」があります。そして子どもも大人も、きちんとした場面で「敬語」を使うことは大切なのです。

目次

 どのような敬語があるのか

ビジネスや国際的や会議などでの場では、ハリウッド映画に出てくるような、スラングやため口は使われません。ですので、英語で覚えたフレーズをそのまま使うのは危険です。日本語にも目上の人に話しかけるときは、ため口で話しかけることや、丁寧さに欠ける言葉づかいで話しかけることはないと思います。いくらシンプルな表現が多い英語でも、やはりきちんとしなくてはいけないところは日本語と同じです。

そこでまずは、日本語でいうところの「○○さん」「○○先生」「○○教授」といった、失礼にならない名前の呼び方を知りましょう。

英語で名前を読んでみよう!

日本人は苗字(last name:ラストネーム)で呼ぶことが多いです。そして、英語圏の人は、名前(first name:ファーストネーム)で呼ぶことが多いのは事実です。

例えば、

Sakiko, this is Mike.

Hi! It’s nice to see you, Mike.

というように、友達同士とか、親しい人を紹介したいときとか、苗字(last name)で紹介することはまずありません。ところが、学校の先生(先生がマイク・ブラウンさんという姓名だった場合)を「Mike! Could you help me? (マイク!ちょっとお願いしたいことがあるのですが)」とは言いません。きちんと苗字である「Brown」に「Mr.」と付けて「Mr.Brown」と呼びます。

そして、その他にも、教授だったり、医者だったり、敬称を付けるべき人にきちんと敬称を付けないでいると、相手を不快な思いにさせてしまうことがあります。

よっぽど子ども同士の間では大丈夫ですが、もし子どもが目上の人に話しかけるときや、学校の研修などで質問をしたいときには、相手に対して敬称をきちんとつけて話すことが大切だということを伝えたいものです。

子どもに必要な最低限の敬語

先ほどの敬称を使うということも大切ですが、子どもにとってその他に必要な敬語にはどのようなものがあるのでしょうか?英語の敬語にはたくさんの種類があるということがわかったと思いますが、ここでは子どものために必要な敬語をいくつかご紹介します。

あいさつの敬語

ここでは子どもが初めての訪問先などで「はじめまして」「(家族など)を紹介します」などの場面でどのように表現したらいいのか、それぞれよく使われる表現をいくつか取り上げたいと思います。

・(It’s) nice to see you.(はじめまして。)

・(It’s) nice to meet you.(はじめまして。)

・(I’m) pleased to meet you.(お会いできて光栄です。)

・(I’m) glad to meet you.(お会いできてうれしいです。)

よく知られている「How do you do?」は、子どもには堅苦しすぎます。しかし、正式な場でよく使われる表現ではあります。

また、日本の学校教育では「Nice to meet you.」という一つの表現しか習わないかもしれませんが、「It’s」を付けたり、「pleased(嬉しい。光栄です。)」を使ったりして、同じ「はじめまして」でも、いろいろな表現を身に付けましょう。

続いて「(家族など)を紹介します」という場面です。

・Let me introduce my family.(私の家族を紹介します。)

・Let me introduce myself. (わたしについて紹介させてください。)

・Let me introduce my sister Naomi.(妹の直美を紹介します。)

Let me は動詞を続けることで「~します。」とか「わたしに~させてください。」という意味になります。

お願いするときの敬語

人に何かをお願いするときの表現方法を覚えておくと、人にスムーズにお願い事ができて便利です。これは、「お願いがあるのですが…」という時に使えます。目上、年下にかかわらず、丁寧な方がよりいい印象をもたれます。親しい間柄こそ覚えたい表現ですね。

・Would you(please)do me a favor?(お願いがあるのですが。)

・Could you (please) do me a favor?(お願いがあるのですが。)

・Can you do me a small favor?(ちょっとお願いしてもいい?)

・May I ask a favor?(お願いがあるのですが。)

などがあります。you の後にpleaseをつけると、より丁寧になります。

謝るときの敬語

「親しき中にも礼儀あり」という言葉は、何も日本人のためだけにあるものではありません。「Sorry!」だけでもいいのですが、もう一歩前進して、子どもにとって使いやすくより丁寧な表現をお伝えしいます。

・I’m sorry to be late.(遅れてごめんなさい。)

・I’m very sorry.(ほんとうにすみません。)

・I’m apologize for missing the party.(パーティーに行けなくてごめんなさい。)

これらのあいさつに関する表現は、なにも子どもだけのためのものではありません。ちょっとした表現を身に付けておくことで、コミュニケーションがとてもスムーズに進みます。

ぜひ、親子で一緒に覚えてください。

「Thank you!」は一番の敬語です!

いろいろな英語の敬語を紹介して来ましたが、最後に何といっても一番の敬語をお伝えします。それは「Thank you」です。

日本人は「礼儀正しい」とよく外国人からも言われます。それはお辞儀の仕方のうやうやしさや、物を手渡しするときの優雅さなどの態度や振る舞いに対してのようです。一方、日本人がビジネスの場で日本人は「ありがとう」などの感謝の言葉をあまり使わないといわれることもあります。

日本だと、丁寧にお辞儀をしたり、両手で受け渡ししたりといった態度で敬意を表すことがあり、言葉を使わなくとも、その敬意を伝えることができます。しかし、英語の世界では、きちんと言葉で敬意を伝える必要があります。言葉で言うことで相手に自分の気持ちをきちんと伝えられます。逆に、言わないと「なかったもの」として受け止められがちです。

日本人のように、敬意を態度で示すのではなく、きちんと言葉で表現していく必要があるのです。

そこで活躍するのが「Thank you」という一言です。また、「Thank you」のあとに、「for~」と付けることで、簡単に「単語」から「文章」へとレベルをアップさせられます。「Thank you」は、とても簡単で最大級の英語の敬語なのです。

何かをしてもらったとき、人に自分の話を聞いてもらったとき、飲食店で食事をしてお店を出るときなど、あらゆるところで「Thank you」は一番使える敬語です。これは、子どもも大人もいつでもどこでもだれもが簡単に使えます。

そして、Thank youをもう一歩進んだ言い回しにするためには、「for~」をあとに付けます。

例えば、

・Thank you for inviting me.(お招きいただきありがとうございます。)

・Thank you for your support.(助けてくださりありがとうございます。)

・Thank you for your corporation.(協力してくださってありがとうございます。)

・Thank you for your attention.(ご清聴ありがとうございました。)

などとたくさんの場面で使いまわすことができ、とても便利です。

今回「英語の敬語」について、いろいろな表現方法をお伝えしましたが、まずは難しいことは抜きにして「Thank you」とニッコリ、周りの人に伝えることから始めてみてはいかがでしょうか?

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河内咲子 administrator

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