英語習得のために必要なもの~自転車も、英語も幼少期に!~

英語習得のために必要なもの~自転車も、英語も幼少期に!~

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英語を一度学んだあとに使い続けるためには、長期にわたって記憶しておくことが重要です。この長期間の記憶のことを、専門用語で「長期記憶」といいます。

長期記憶の良い例が自転車です。自転車のように身体の様々な能力を使って体で覚えた技術は「長期記憶」として保存されます。長記憶の利点は、一度身についたら一生忘れないところです。

たとえしばらく自転車に乗っていなくても、幼少のころに何度も練習をして習得した技術は長期記憶に入っているため、勘を取り戻せばまたすぐに自転車に乗れるのです。この自転車の例のように、英語も一度学んだあとで長期記憶に保存されるようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

目次

子どもは自然に長期記憶を利用できる

どうして、自転車に一度乗れたら、一生乗りつづけられるのでしょうか?

それは、自転車に乗る技術というものを、身体を繰り返し動かして習得してきたからなのです。つまり、運動をしたり、何回も転んだりしながら繰り返し練習を行って習得した記憶は忘れないのです。これを、長期記憶の中でも特に「手続き記憶」といいます。

身体を繰り返し動かすことによって記憶された物事は、自動的に「手続き記憶」に入ります。子どもは特に体を動かします。このため、幼少期に習得したことは自然に手続き記憶となり、長期記憶として保存されるのです。

この幼少期の特性を、英語にもぜひ活用しましょう。そうすれば幼少のころに英語を習得した英語は、長期的に記憶しておくことができます。子どもは楽しいことは何度も何度も繰り返すことが苦痛ではありません。しかもわざわざ教えなくても、身体を使って体験してくれます。自然に身体を使って何度も繰り返す行為によって、英語の知識や技術を自然と長期記憶に入れることができるのです。

幼少期に英語を自然の流れの中で習慣化し、繰り返し学習することで、大人になっても英語を使って、コミュニケーションを図り続けることができるのです。これが、幼児期に英語を習得する最大のメリットなのです。

長期記憶へ記憶する

では、具体的に長期記憶に入れるためにはどうしたらようのでしょうか?

英語を書いて覚えたりしたり、暗唱したりするという単純な作業だけでは短期記憶にとどまり、すぐに忘れてしまいます。長期記憶に保存するためには、英語を自然と使えるような環境を作り出すことが大切です。

例えば、一般的な英語教室では、先生がりんごの絵カードを指さして、「What’s this?」ときいて、子どもたちは「This is an apple.(これはりんごです。)」と答えます。そして、その言い方を繰り返し練習します。はじめは、子どもたちも楽しいと感じると思いますが、徐々に飽きてきます。これは、単に繰り返し練習することによって英語の習得を図ろうとするものです。

もちろん、知識がないと英語を理解できないので、知識を得ることは必要です。しかし、それだけでは子どもは「覚えなければいけない」英語に飽きてしまいます。

そこで、長期的な記憶を活用するには、次のような例があります。

指導者は、本物のリンゴを手に持って、「Can you cut this apple like this?(りんごをこのように切れますか?)」というかけをすることから始めます。そして子どもたちは指示してその通りにりんごを切ったり、「How do you like this apple?(このりんごおいしい?)」とりんごを食べてどんな味がするのか自分の言葉で言ったりといった体験的な活動をすることがです。

これらの問いかけは「This is an apple.(これはりんごです。)」といった、りんごだけにフォーカスしていません。子どもたちは自然な思考や活動の流れの中で、「りんご」という単語以外にも、「切る」とか「この」といった単語も動作と共に把握できます。

そして、「あ~、切るってこういうんだ。」とか「おいしい、酸っぱい、甘いってこう表現するんだ。」という体験を、さらに人に「伝えたい」という気持ちになれば、他の単語や言い回しも、どんどん学ぼうとします。このようにして、リンゴを自分で切って食べるといった体験的な活動は、様々な効果があり、自分の経験として英語を習得できるのです。

英語を「習得」するということにフォーカスした知識的な学習も必要ですが、「使う」という体験にフォーカスした自然の流れの中で英語を習得していくという方法も必要なのです。そして「繰り返し」の体験が、長期記憶として脳の中に残り続け、英語を使い続けられる脳になっていくのです。

さらに、英語が話せると「楽しい!」「必要だ!」とか「習得したい!」という気持ちに子どもをさせられたら、もう言うことはありません!子どもたちは自主的に、英語の本を読んだり、調べたりして、英語を楽しく学んでいくことができるようになるのです。

英語を長期記憶に保存するための体験型学習方法

それでは、ここではいくつかの英語で行う体験型習得方法をご紹介します。

●ワークショップ型

期待できること:五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を生かして英語活動に取り組んで、英語の知識を得ると当時に、長期記憶に持ち込む。楽しく取り組むことで、自主的に英語学習ができるように育てる。

例:英語劇、英語で料理、英語で音楽(リトミックなど)、野外活動、英語でダンス、英語で実験、英語でものづくり、英語であそぶなど

●グループ学習

期待できること:グループで話し合いや、議論をすることで相手の言いたいことを理解して、英語の知識そのものはもちろん、自分の意見を伝えることで、「伝えたい」「英語が必要だ」という感覚を育てる。

例:プレゼンテーション、調べ学習、ミッション型スタンプラリー・クイズラリー、野外活動など

このようにして、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という五感をフルに生かした活動を英語学習に取り入れることで、英語を「長期記憶」に入れることができます。

幼少のうちにさまざまな体験にふれ、繰り返し活動することで自然な形で楽しく英語を「長期記憶」に入れることができます。そうすれば、自然に使える英語を、半永久的に身に付けることができるのです。小さいお子さんがいる方は、今から英語に取り組んでみましょう!

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河内咲子 administrator

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