英語絵本・日本語絵本の魅力~わたしが子どもに読み聞かせをしてもいいの?~

英語絵本・日本語絵本の魅力~わたしが子どもに読み聞かせをしてもいいの?~

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「わたしは英語が話せないし、どちらかというと嫌いだし…でも、子どもには英語を話せるようになってほしい。」と思っている人はたくさんいます。そして、そういう人ほど、子どもに英会話教室などで習った英語を、家で話すように強制してしまいます。

ここで立ち戻ってほしいのは、「何のために子どもを英語教室に通わせているか」という本来の目的です。

今この時に「I like animals. I like cats.」といえるようになることでしょうか?

いいえ違うはずです。大人になってからビジネスの場で、国際的な場で人々と意見を交わせるようになってほしいからではないでしょうか?英語を通して、広い世界を体感してほしいと願うからではないでしょうか?

言語というものはじっくり時間をかけて伸び続けるものです。今、子どもの英語の発音がどうとか、単語が言えるかどうかとか、英語を覚えているとかいないとかいったことを気にしすぎると、英語を学ぶ本来の目的を失ってしまいます。

それよりも、まずは英語の土台をしっかりと作ることが大事です。植物に例えると、根をはり、太い幹を作ってあげることに匹敵します。そうしておけば、あとからいくらでも葉を茂らせ、実をならせることができるのです。

そこで英語の土台を作るのに大活躍するのが、「本・絵本の読み聞かせ」です。英語で読み聞かせすることは、楽しい経験として英語の土台を作ることができるため、非常におすすめです。

わたしは、将来、立派な葉が茂り、大きな実が成るような「土台=基本」が大切だと思っています。そして、その太い幹を作る有効な手段の一つが「本・絵本の読み聞かせ」です。

ここでは、「本・絵本の読み聞かせの魅力」と「本・絵本の活用法」についてお話ししたいと思います。

目次

本・絵本の読み聞かせの魅力

わたしたちは、学生のころ英語はあくまでも受験の科目のひとつとして学んできました。そもそも、会話をするためのものとして学んできませんでした。

「単語」「文法」「英文和訳」などを「暗記」したり「読解」したりする機会が多くありました。しかし、実際に英語を使ったコミュニケーション能力が身についたか、つまり、英語が自由に使いこなせるようになったかと聞かれれば、わたしは残念なことに、そうはなりませんでした。

だからこそ、せめて「自分の子どもには、自分と違って苦労せず英語を話せるようになってほしい!」と思います。

では、幼少期から子どもたちを週1、2回、英語教室に通わせることは、どのような意味があるのでしょうか。幼少期の英語教室は、英語に接する機会としては最高だと思います。子どもにいかに楽しく英語活動に取り組ませるかが大切なので、楽しく外国人の先生と遊ぶことは非常に良いことでしょう。

しかし、正直なところ、週1、2回英会話教室に通って楽しんだだけでは英語力をつけるのには足りません。大切なのは、毎日少しずつでも継続して英語に触れ続けることです。

そこで紹介したいのが、時間をかけず、お金をかけず、心を豊かにしながら「言語力」を付けられる「本・絵本の読み聞かせ」です。

実はわたし自身、「本や絵本は大切だ」という言葉は、耳にタコができるほど聞いてきました。この言葉は正直「うっとうしい」言葉でした。世間でも「本・絵本は大切」だと言われていて、「はいはい」という感じで、深く理由を考えませんでした。

しかし、今ではどっぷりと「読み聞かせ」の魅力にはまっています。

では、なぜ本、絵本の読み聞かせは、魅力的なのでしょうか?

その魅力をいくつか挙げていきたいと思います。

 コミュニケーション能力の基本である「聴く力」を育てる

まず、コミュニケーション能力の基本は「聴く力」が非常に重要です。聴く力がないと相手が何を言っているのかがわからないし、何を言っているかわからないということは、それに対してどう返答したらいいのかもわかりません。

本・絵本の素晴らしさは、読み手の口から発せられる言葉を聞きもらすまいと集中することです。「ワクワク」「面白い」「ちょっと怖い」「ドキドキする」といった子どもにとって興味深い世界が展開することなのです。

具体的に「聴く力」というのは、発音の微妙な違いを判別したり、一生懸命聞こうとする態度を備えると、相手の言うことを何とか聴きとろうとしたりする集中力を持ったりするということです。

また、本・絵本を読み聞かせることで、自然に言葉の意味や文字を習得することが可能で、さらに本を読もうとする意欲がわき、読む技術をそだてられるのです。

それでは、「どんな本・絵本がいいの?」といった本の種類について、「どんな方法?」といった読み聞かせをするときの注意点について、また「いつ読み聞かせをしたらいいの?」という時間や時期について、お話ししていきたいと思います。

どのような本・絵本を選んだらいいのでしょうか?

乳児の場合、読み聞かせをしてもらってもはじめはその「意味」を理解することができません。でも「声」はわかります。母親や父親などの声を聞くことでまず「安心感」「平穏」「安全」を得られます。そして、面白い話なのか、悲しい話なのか、少し怖い話なのか…などといった感情を声色で感じることができます。意味はわからなくても、感じる心をそだてることができるのです!

子どもが小さな頃は、文字そのものよりも絵に反応をするので、子どもが好きな色や絵、風合いの本・絵本を選ぶといいと思います。そして、まずは親自身が好きな本・絵本を選ぶことで、読み手としてより深く感情を伝えられることが重要です。

わたしが個人的に好きなのは、「はらぺこあおむし」などで有名なエリック・カール氏や「ミッフィー」で有名なディック・ブルーナ氏、また日本人だと「きんぎょがにげた」などで有名な五味太郎氏、「おへそのあな」などで有名な長谷川義史氏などです。ちなみに、五味太郎氏の絵本は英訳されています。

そして、フィクション、ノンフィクションという大きく分けて2つの種類がありますが、そのどちらでもいいと思います。

フィクションの特徴は、わたしたちの感情を代弁してくれ、発散してくれます。また、そこに書かれた物語は、自分自身の人生の物語への手がかりを与えてくれます。つまり、架空の人物に自らを置き換えることで、他人を認識してそれが自己の認識へとつがなるというものです。

ノンフィクションの特徴は、実録や事実に基づいたドキュメンタリーの作品です。実際にあった話なので、より現実的な世界を知ることができたり(フィクションにも言えることですが)、よりその人の立場に立った疑似体験ができるのです。

 どんな方法が良いのでしょうか?

一見矛盾しているように感じるかも知れませんが、本・絵本は日本語でも十分です。その理由は、日本語・英語の両方を読み比べることによって、その物語や本・絵本自体の興味を高められるからです。そして、言葉の土台は英語だけで作るものではありません。むしろ、まずはわたしたちの母語である日本語の土台をしっかり築けば築くほど、丈夫な幹、枝葉が生えるものです。あとからそこへ英語を浸透させても遅くはありません。

日本語の本・絵本であったとしても、関心のある話であれば自ら読もうとするのです。この好奇心を育てることで、自ら本を読もうとする自主性を育てることができます。

そして、興味を持ったものが英語で書いてあれば、英語を必要と感じ、自ら英語を習得しようとするでしょう。

子どもにとっては、たまたま興味のあるものが、英語で書いてあるというだけなのです。

しかし、ここで注意点ですが、英語や日本語の本を読んでいるとき、また、こどもに話しかけるときは、日本語と英語を混ぜることはしていけません。

例えば「meは今日、公園でrunしたよ。(わたしは今日、公園で走ったよ。)」

書いていてちょっと笑えてしまいましたが…

このように、日本語の一文の中に英語を混ぜたり、英語の一文の中に日本語を混ぜたりすることは、脳の言語力を司る場所に悪影響があります。英語脳を作るためには、日本語は日本語の把握できる場所と英語は英語の把握できる場所をしっかり分けることが必要なので、混ぜてしまうと大変危険です。

そして、もう一つ、子どもが読み聞かせをしているときに質問して来たらどうしたら良いのでしょうか?

質問してくれるということは、「聴いている」証拠です。読むのを中断してしっかりと質問に答えるということが大切です。しかし、質問がたくさんすぎて、文章が進まないときには、「まずは一回お話を最後まで読ませてね。」と先に告げます。切りのいいところで戻って質問に答え、もう一度その部分を読み直すとよいでしょう。

質問に答えるということは、子どもが文章の意味をしっかりとつかみ、物語の展開を終えるように手助けができます。あとで、必ず質問の答えを言ってあげましょう。

いつ読み聞かせしたらよいのでしょうか?

わが家は、夜寝る前に読み聞かせをしています。英語で言うと「Bedtime stories(ベッドタイムストーリー)」です。たまに学校から帰ってから読み聞かせをすることもありますが、帰宅時間がそれぞれ違うので、一番ゆったりとした時間を選んでいます。

他にも、起床時、朝食後、学校へ行く前、昼食後、昼寝時、入浴後、就寝時…いろいろな時間を見つけられると思います。その子によって読んでほしい「時」は違いますし、なるべく子どもが「読んでほしい」という時は、いつでも応えられるようにしています。

ちなみに、わが家の例ですと、夜寝る前に15分程度の読み聞かせをします。別に時間は何分でもいいのですが、わたし自身が「15分は確保する!」と自分に言い聞かせています。その時に読む本は、英語の絵本と日本語の絵本の両方を読みます。

順番は、「①英語の簡単で短い絵本→②ちょっと長めの英語絵本→③日本語の絵本か本」といったものです。

読み聞かせを始める時期については、「いつでもいい」と思います。子どもはいずれ自分で本を読み進めていくと思いますが、できれば中学生ぐらいまで、嫌がるまではずっと続けたいと思っています。まだ小さな子どもには絵本の「内容」や「意味」が分からなかったとしても、先ほど述べた「音」で感情を伝えています。意味でなくても、音で感情は伝えることができます。

そういう意味で「いつから始めてもいい」と同時に「いつまでも」読み聞かせようと思っています。

 親が英語教材をフル活用して読み聞かせをすることが、バイリンガルへの近道

本・絵本の読み聞かせがいい!ということをお伝えしてきました。本・絵本を使うことで、子どもたちはなによりも「楽しく」お話に聞き入ることで集中力も高まります。なによりも情緒を安定させ、自信を持って何事にも取り組む意欲や自主性を育てます。

でも、冒頭で話したように「わたしは英語が話せないし、どちらかというと嫌いだし…でも、子どもには英語を話せるようになってほしい。」と思っている人はたくさんいるということも事実です。

もし英語の自信がなければ、初めは日本語で読み聞かせをするのがいいと思います。先ほども述べたように、日本語の土台を作ることが大切で、そこに英語を浸透させていくということがいいと思います。そして次に、日本語・英語両方の本・絵本を用意してください。日本語で繰り返し読んだ後、英語でも読んでみると、イメージが出来上がっているので、どんな話の展開なのか、どんな場面なのか理解しながら読むことができます。

どうしても…という場合は、「CD付絵本」を活用するといいと思います。

CD付きの絵本の場合、まずはCDをかけ流して一緒に本・絵本を見るというものでいいです。でもその本・絵本を繰り返すうち、一緒に朗読できるようになります。そうするうちに自然な流れの中で、言語を習得することができるでしょう。

さらに、それでもやっぱり「外国人による「生」の声で読み聞かせをさせてあげたい!」とか「自分には読み聞かせする自信がない!」と思うのであれば、経済的で時間指定のできる「子ども向けオンライン英会話」を活用してみてください。

まずは是非、ご家庭で一日15分継続的に、絵本の読み聞かせをしてください。

なによりも「子どもと一緒に」わたしたちも本・絵本を楽しみましょう。

そして、身体に栄養を与えるのは「食事」ですが、心に栄養を与えるのは「本・絵本」なのです。

最後に、アメリカの元シカゴ教育長はこう言っています。

「もしも世の親たちが、わが子に1日に15分、本の読み聞かせをするようになれば、学校に革命を起こすことができるでしょう。」

小さな「読み聞かせ」という活動で、子どもたちを豊かな心を持ったバイリンガルに育てていきましょう。

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著者について

河内咲子 administrator

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